日常でも、テレビを見ていても、
何気なく聞き流してしまいそうだけど、気になる敬語の間違い。
丁寧なのに、ちょっと残念・・・にならないために、
見直してみましょう。
目次
謙譲語は相手に使わない
敬語の指針によると、
敬語は、尊敬語・謙譲語・謙譲語(丁重語)・丁寧語・美化語の
5つの種類に分けられています。
尊敬語は、相手や相手側の行動・物・状態等を高める言葉です。
そして、謙譲語は、自分や自分側の行動・物・状態等を低めることにより、
相手や相手側を高める言葉です。
ですから、そもそも
「聞く、行く」の謙譲語である【伺う】に
「お」と付けたり、「れる・られる」を付けたからと言って、
尊敬語には変換されません。
「お伺いになりますか?」とか「お伺いください」
とは言いません。
「食べる、もらう」の謙譲語の【いただく】も同様です。
「いただかれましたか?」や、「いただきますか?」、
「いただいたんですか?」とは言いません。
まれに耳にしますが、
「拝見する」というのも謙譲語ですから、
「拝見されましたか?」というのも変な敬語ですよ。
謙譲語にれる・られるをつけても・・・
「AさんがBさんからいただかれたチョコを見せてもらいました。
とってもかわいい!食べるのがもったいない~!」
というような投稿をFacebookで見かけました(内容は仮です)。
おそらく投稿者の考えとしては、
Bさんを立てるために、Bさんから「いただいた」としたけれど、
「いただいた」のは自分ではなくAさんなので、Aさんを立てるために
謙譲語の「いただく」に尊敬語に変換するための「れる」を付け足してしまい
「いただいた」→「いただかれた」にしたということなのでしょうが、
謙譲語と尊敬語を混ぜてしまうのは間違いです。
では、私ならこの場合、どのように表現するかと考えました。
1. AさんにBさんからプレゼントされたチョコを見せてもらいました。
2. AさんがBさんから贈られたチョコを見せてくださいました。
いかがでしょうか?使う言葉を変えてしまいましたが、
どうしても敬語を使おうとして不自然になるという場合には、
すっぽり言葉を入れ替えてしまう方が簡単ですよね。
聞く、行くを尊敬語にするには?
「聞く」を尊敬語にすると、
「聞かれる」、「お聞きになる」になります。
「行く」の尊敬語は、
「行かれる」または、「いらっしゃる」ですね。
どちらも、後者の方がより丁寧な印象になります。
尊敬語も謙譲語も、ランクがあり、
気軽なものから、より敬意を高めた言い方までありますので、
使い分けられると良いですね。
食べる、もらうの尊敬語は?
「食べる」の尊敬語は、
「お食べになる」、「召し上がる」といいます。
「もらう」の尊敬語は状況により変わると思いますが、
「お受け取りなる」が一般的でしょうか。
別の誰かから書類をもらったか聞く時は、
「お受け取りになりましたか?」
自分が何かを贈るときには、
「お納めください」ということもあるでしょう。
敬語は言葉なので、使い慣れないと
とっさの時に口から出てこないですね。
自分が使っている敬語、正しいのか不安になったら、
当スクールの敬語のレッスンにお越しくださいね。
お気軽にご相談くださいませ。
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